AppNote B-TA1039: ダイナミックDSCによるPMMAのガラス転移測定
高分子材料などにおいてガラス転移温度を調べる際にDSCは良く用いられる分析手法の一つです。ガラス転移は比熱容量の変化であるためDSC結果ではピークではなくベースラインのシフトとして現れます。しかしながら、ガラス転移が単独で出現する場合はガラス転移によるシフトが確認できますが、エンタルピー緩和による吸熱ピークや材料によっては脱水による吸熱ピーク、ガラス転移直後の結晶化による発熱ピークなどが重なり、ガラス転移のシフトを確認しにくい場合もしばしばあります。このため、通常の等速昇温DSC測定ではサイクル測定を行い、再昇温結果からガラス転移を確認する場合もあります。今回、PMMA試料においてダイナミックDSC測定からガラス転移の確認を行いました。