AppNote B-SCX1004: HPC 検出器のシャッターレスモードによる 超高速測定
単結晶構造解析装置に用いる検出器の進歩は、1980年代はシンチレーションカウンター(SC)やマルチワイヤー、1990年代前半からはイメージングプレート(IP)やCCDでした。2010年代初頭に従来型検出器の利点を併せ持つ、光子計数型ハイブリッド(HPC)検出器が登場しました。
この検出器は広いダイナミックレンジと高感度・高速読み出しにより、誤差の原因ともなるフレーム毎のシャッター開閉を伴わない、シャッターレスモードによる連続測定が可能です。当社独自開発による光子計数型ハイブリッドピクセル検出器 HyPix-6000HEは、各ピクセルに2系統のカウンター回路を持っているため、2つのカウンターを交互に使うゼロデッドタイムモードによる測定も可能です。ここでは試料としてテトラシアノエチレン(TCE)、スクロース、シチジンを用いた、高輝度X線源PhotonJet-RとHyPix-6000HEによる高速測定例を紹介します。