高圧下での結晶構造解析 ~加圧による結晶構造の変化~

    Application Note B-SCX1006

    はじめに

    これまで高圧下における単結晶試料の測定・解析は、専門家による知識・技術を必要としてきました。CrysAlisProは、高圧測定用のモジュールを標準搭載しており、お手持ちの高圧セル(DAC)の仕様に応じた、最適な測定スケジュールを提案します。また、DAC専用の逆格子ビジュアライザーの表示、キュレットやガスケットに由来する不要な回折点や回折線の除去など、専門家の高度なご要望に応える機能を多数搭載しています。

    測定・解析例

    図1に測定の手順を示します。使用しているDACの開口角とサンプルの回折対称の情報から、カスタマイズされた最適な測定スケジュールを自動計算します。また、測定者の要望に応じ、スケジュールを変更することも可能です。

    CrysAlisProによる測定スケジュールの自動計算

    図1 CrysAlisProによる測定スケジュールの自動計算

     

    図2に測定データから、DAC由来の不要な回折線を取り除く作業を示します。画面上で直感的に不要な回折線を確認し、マウスのドラッグ等で簡単に除去することが可能です。このようにして、サンプルからの回折線だけを取り出すことができれば、あとは通常の構造解析を行うことができます。図3に異なる圧力下における分子の立体構造の変化を示します(1)。

     

    不要な回折線の除去

    図2 不要な回折線の除去

    高圧下による結晶構造解析結果

    図3 高圧下による結晶構造解析結果

     

    参考文献: (1) I. Hisaki, H. Toda, H. Sato, N. Tohnai, and H. Sakurai: Angew. Chem. Int. Ed., 56 (2017) 15294-15298.

    推奨装置

    • 単結晶X線構造解析装置 XtaLAB Synergyシリーズ

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