AppNote B-SCX2016: 結晶構造では観測することができない X 線溶液散乱による蛋白質の構造変化
Mitogen-activated protein kinase kinase 4 (MAP2K4)はストレス及び炎症反応を調節するシグナル伝達経路に属しています。さらに、MAP2K4は炎症疾患に関わるシグナル伝達経路にも関わっているため、創薬ターゲットとして注目を集めています。結晶構造より、MAP2K4のアポ体(apo MAP2K4)は垂直方向に伸びた構造をとることが明らかになりましたが、結晶格子による束縛の影響により伸びている可能性は否定できませんでした。また、結晶構造は結晶格子に束縛されている静的な構造であるため、結晶構造だけではATPを結合するメカニズムの解明には至りませんでした。