AppNote B-TA4013: 異方性材料(紙)の熱伝導率測定
紙の原料は特殊な場合を除いて針葉樹又は広葉樹のパルプであり、パルプ化から抄紙、塗工などの後加工に至る製紙技術によって千差万別の性質を持った紙が造られます。紙はパルプ繊維の集合体です。繊維の懸濁液からの脱水濾過によって繊維は集合し重なり合って濾層を形造っており、続く濾層からの強制脱水に伴い繊維はシート平面に平行に配向し、異方性をもつ多層のネットワーク構造を形成しています。紙の熱伝導率の測定は、加熱により水分の蒸発が起こり定常状態を得難い点も大きな課題です。水分自体は熱伝導率を高める方向に働くため、簡便かつ短時間で測定が可能であることが紙の測定に適していることになります。
TRIDENTのMTPSセンサーを用いて、紙の測定面を変えることで、熱伝導率の異方性を測定してみました。