AppNote B-XRD1023: 透過X線回折法による錠剤中の多形不純物の定量分析
医薬品の製剤化工程では、原薬が、賦形剤である糖やでんぷんなどと反応したり、打錠時の圧力で脱水・多形転移したりする場合があります。このため、錠剤形状のまま原薬の結晶形や多形不純物の有無を確認したいという要求がありましたが、一般的な反射型のX線回折法では、試料の形状の影響でデータが不正確になる、錠剤表面の情報しか得られない、という問題がありました。平行ビーム光学系(PB)や集光ビーム光学系(CB)を用いた透過X線回折法では、試料形状に存在しない回折プロファイルが得られ、錠剤内部の情報も得ることができます。ここでは、原薬の多形を含む錠剤を作製して、平行ビーム透過法によるX線回折測定から検量線を作成しました。