AppNote B-XRD1046: 凍結乾燥プロセスにおける医薬品材料の結晶相同定
凍結乾燥プロセスにおける医薬品材料の結晶相同定
水溶液にすると即座に分解が進行する医薬品(用時溶解型製剤)は、凍結乾燥によって製造されます。この凍結乾燥は、水の凍結と溶液の濃縮を行う「凍結」、氷を昇華させる「一次乾燥」、固体部分から水を蒸発させる「二次乾燥」の三つのプロセスから成ります。一次乾燥温度が高いと乾燥時間を短縮できますが、この温度が高すぎると構造崩壊が起きるため、構造崩壊しない最大許容温度や適切なアニール条件の検討が行われています。 しかし、添加物の種類や濃度によって結晶化・転移挙動が変わるため、凍結乾燥の条件決定は煩雑であるといわれてきました。そこで、試料低温・中温アタッチメントを用いて、実際の凍結乾燥プロセス中の結晶相転移のその場観察を試みました。