AppNote B-XRD1113: X線回折装置によるイオン価数の評価
BVS法によるイオン価数の評価
結晶構造のイオン価数は材料特性のメカニズム理解や新しい材料のデザインのための重要な結晶構造パラメーターの一つです。イオン価数を実験的に求める方法にはXAFS(X-ray Absorption Fine Structure)、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)、メスバウアーなどの分光法、Rietveld法に基づいたMEM(Maximum Entropy Method)法、BVS(Bond Valence Sum)法があります。この中でもBVS法は、粉末材料のRietveld解析で求めた結合距離を用いてカチオンの平均価数を求める手法で、実験室系のX線回折装置を使用して簡便に行うことができます。ここでは、2種類のマンガン酸化物のイオン価数を評価した例を紹介します。