AppNote B-XRD1130: DD 法によるでんぷんの定量分析
粉末X線回折には、RIR法やリートベルト法と呼ばれる定量分析方法がありますが、一般的な解析対象は結晶性が高く、シャープなピークを示す物質です。一方粉末X線回折法による定性分析の対象には、高分子や食品など、結晶性が低くブロードなピークを示す物質も含まれます。このような結晶性が低い物質は、データベースに参照強度比(RIR値)や構造情報が登録されていない場合が多いこと、測定データから各成分の強度を抽出することが難しいことから、RIR法やリートベルト法による定量分析は行えませんでした。当社が開発したDirect Derivation (DD)法では、RIR値も結晶構造情報も必要とせず、ブロードなピークの強度抽出にも対応しています。ここでは、2種類のでんぷんの重量分率(濃度)を算出した例を示します。