AppNote XRD1134: もち麦の微小部結晶構造観察
大麦の種類であるもち麦は、食物繊維が豊富で腸内環境を改善するスーパー食材として注目されています。うるち米は約2:8のアミロースとアミロペクチンの高分子で構成されていることに比べて、もち麦はアミロペクチンが100%を占めているため粘性が高く、いわゆるもちもちした食感を持っています。アミロペクチンは加水や加熱するとコロイド状態になります。これを糊化またはα化と呼びます。糊化したアミロペクチンは、非晶質であるため消化吸収しやすい一方、水分と結合しやすく劣化しやすい状態になります。ここでは、微小部X線回折法を用いて、外皮を削ったもち麦の表層と内部の結晶相を調べた例をご紹介します。