AppNote B-XRD1153: 2次元検出器を用いた XRD-DSC 同時測定によるアセトアミノフェンの相転移追跡
新型コロナウイルスやインフルエンザなどによる発熱時の解熱鎮痛剤として服用されるアセトアミノフェンは、複数の結晶多形が報告されており、市販薬には溶液中から容易に結晶化するI型が使用されています。II型はI型に比べ溶解性や錠剤化に優れている一方、熱的安定性が低く、結晶化制御に課題があります。またIII型は短時間でII型へと相転移するため、熱挙動の取得が困難であることが知られています。今回の測定では、短時間で回折パターンの取得が可能な2次元検出器を用いたXRD-DSC同時測定により、アセトアミノフェンI型からII、III型への結晶相転移を観察しました。