AppNote TA5015: 試料観察TG-DTA による火薬の発火温度の観察
熱分析はその結果から融点や分解温度など、多岐にわたる試料の熱挙動の情報が得られる分析手法である。しかしながら、たとえば融解はDTA で吸熱ピークとして現れるが、吸熱ピークを示す挙動は融解だけとは限らず、他の吸熱反応の可能性もあり、吸熱ピークだけでは判断できない。このため、既知の試料であれば反応の解析は可能であるが、未知試料の場合、熱分析の結果だけからの反応の解析は困難であることが多い。この問題を解決するために、近年、TG-MS やXRD-DSC にみられる様な他の分析手法と熱分析の同時測定が行われ、未知試料の反応についての解析に多く用いられてきた。