2017年9月6日
株式会社リガク
この度リガクは 9月6日、熱分析装置のブランドThermo plus EVO2シリーズの新製品として、広範囲な温度領域での測定が可能な新型示差走査型熱量計「DSCvesta」(ディーエスシーベスタ)の販売を開始することを発表します。示差走査型熱量計は試料を加熱または冷却した時に試料内に発生する熱エネルギーの変化を検出する熱分析装置です。
本装置は、炉体構造を一新し、業界最高クラスの測定温度範囲を実現しました。また、従来機と比較して感度・測定レンジが大幅に向上しています。
炉体は革新的なΔ(デルタ)ブロック構造(特許出願中)を採用し、低消費電力での効率的な冷却・加熱が可能となりました。
さらに、様々なアタッチメントを搭載することで拡張性・測定可能温度範囲・安全性がより向上し、従来では判別しにくい現象でも多面的にデータを得られるようになりました。
※ 本装置は9月6日から8日に幕張メッセで開催されるJASIS 2017に出展します。
主な特長
- 測定レンジの拡大
新型アンプの搭載により、フルスケールが大幅に拡大しました。従来の±100mWから±400mWになり、結晶化などのピークハイトの高いシャープなピークもサチレートすることなく十分対応できるようになりました。 - 多彩な冷却オプション
目的の最低到達温度と、温度制御性能により4種類の冷却ユニットを選択することが可能です。また、冷却ユニットの付け外しがユーザーで簡便に行なえる構造になっており、測定シーンに合わせて交換可能です。
◆ 電気冷却 -90℃~725℃
◆ 液体窒素自動供給冷却 -150℃~725℃
◆ 液体窒素サイフォン冷却 -170℃~725℃
◆ サーキュレーター冷却 -10℃~500℃ - 測定温度範囲の拡大
DSCvestaでは、従来機に比べ測定温度範囲が大きく広がったことで、より幅広い温度領域での測定が可能となりました。特に電気冷却ユニットでは-90℃から725℃までの連続測定が可能であり、多くの材料の測定が電気冷却ユニット1つで十分にご利用いただけます。 - 高機能温度制御
一定温度ホールド測定を行う際に温度のオーバーシュートやアンダーシュートを抑えるアドバンス制御を標準で搭載しています。またオプションのLN2自動供給型冷却ユニットを組み合わせることで、-150℃~725℃までの昇降温連続測定に対応します。 - 試料自動交換機対応
試料自動交換機(オートサンプルチェンジャー)の接続も可能となっており、多試料の測定も無人で連続測定が可能です。 - ヒューマンエラー防止
試料容器を選択することで、容器の材質の上限温度を超える測定ができない仕組みや、炉体の温度が熱いと一目でわかる警告ランプなどでうっかりミスを防止します。 - 多機能なソフトウェア
DSCvesta専用に「ピーク強調機能」、「n次ベースライン補正機能」が実装され、ピークがより判りやすく解析しやすくなりました。更にハードウェアを集中管理する測定ソフトウェアを搭載し、強制冷却ファンやECOモードのOn/Off、温度プログラムに連動したガス切り替えなどが可能です。Excel、Wordも付属し、それぞれへの解析データの出力も可能で報告書などの作成に便利です。
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