波長分散型蛍光X線分析(WDX)装置のハイエンドモデル
高S/N・高分解能を誇るWDXの採用により、エネルギー分散型蛍光X線分析(EDX)装置に比べ、高精度な分析を実現しています。高出力のX線管と超軽元素専用の分光結晶により、EDXでは不可能であるB、C、N、Oなどの超軽元素測定が可能です。またEDXではSiの影響により分析が困難なAl超薄膜も、高い分解能を持つWDXならば明確にピーク分離することが可能です。
超軽元素測定が可能
ユニバーサルメモリや磁気ヘッドなど、磁性材料に用いられるBの高感度分析を実現しました。FP法を用いれば、膜厚・組成同時分析も可能です。
超薄膜の分析が可能
MRAMで重要な材料であるMgO膜において、0.1nmの膜厚差を高精度に見分けることが可能です。今後、0.5nm程度までの薄膜化が予測されますが、AZX 400ならば十分に分析できます。
多層膜分析
AZX 400は、FP法を用いることにより、10層までの積層膜の全層分析が可能です。STT-MRAMの場合、MgOやCoFeBの重要な膜に加え、Ta、Ru、PtMnなどを1つのレシピで分析できます。
感度ライブラリを用いたスタンダードレス分析
標準試料の準備が難しいアプリケーションにおいて、SQX ソフトウェア(オプション)を用いた半定量分析が有効です。ウェーハ分析特有の妨害回折線の影響も考慮しており、また複数のスペクトルを選択できるため、従来に比べ、1桁広い分析可能膜厚を実現しました。
大型試料からカットウェーハまで多彩な試料形状に対応
大型試料室の採用によりφ400mm×50(H)mm(最大重量30kg)までの試料サイズまで対応。多様な試料形状に対応できるように試料に合わせたアダプタを用意しています。300mmウェーハ用大型スパッタリングターゲット材からカットウェーハまで、1台で柔軟に対応します。
ウェーハローダーでの自動搬送 (新機能)
300mm FOUP から、100mm オープンカセットまで対応可能です(オプション)。夜間など、全自動分析が可能なため分析業務の効率が上がります。
試料観察用CCDカメラ搭載
CCD カメラ(オプション)により、異物やパターン等を狙ったポイントの測定が可能です。最小φ0.5mmの任意の測定ポイントを画像を見ながら設定できます。面内分布測定は1測定で最大999ポイントまで対応しています。また高精度の試料ステージとの組み合わせにより、0.1mmステップでの分析を実現しました。
実績のあるソフトウェアを搭載
他機種でも採用され、既に数百台お使いいただいているソフトウェアをベースとし、ユーザフレンドリーで多彩な機能を実現しました。
SEMI規格取得
最先端の半導体製造用途で使用できる基準となるSEMI認証を受けた装置です。
AZX 400アプリケーション
- スパッタリングターゲット組成
- 絶縁膜:SiO2、BPSG、PSG、AsSG、Si₃N₄、SiOF、SiON等。
- 高誘電率および強誘電体膜:PZT、BST、SBT、Ta₂O₅、HfSiOx
- 金属膜:Al − Cu − Si、W、TiW、Co、TiN、TaN、Ta − Al、Ir、Pt、Ru、Au、Niなど。
- 電極膜:ドープトポリSi(ドーパント:B、N、O、P、As)、アモルファスSi、WSix、Ptなど。
- 他のドープ膜(As、P)、閉じ込められた不活性ガス(Ne、Ar、Krなど)、C(DLC)
- 強誘電体薄膜、FRAM、MRAM、GMR、TMR。 PCM、GST、GeTe
- はんだバンプの組成:SnAg、SnAgCuNi
- MEMS:ZnO、AlN、PZTの厚さと組成
- SAWデバイスプロセス:AlN、ZnO、ZnS、SiOの厚さと組成₃ (ピエゾフィルム) Al、AlCu、AlSc、AlTi(電極膜)