■講演(1)14:05~14:30
『 全散乱測定とRMC法による局所構造解析の実際 』
材料の局所構造を解析手法として全散乱解析やPDF解析が広く知られています。従来まで頻繁に用いられていたG(r)パターンを再現するピークパラメーターを精密化する手法では詳細な局所構造を議論することができませんでした。一方で、Reverse Monte Carlo RMC法を使って実測値を再現する構造モデルを構築することで詳細な局所構造情報を抽出できますが、ソフトウェアを使いこなすまでに多大な時間を要していました。
リガクではPDFプラグインを全散乱解析プラグインという名前に変更して、結晶性材料のRMC法による構造モデリング機能を追加しました。
本セミナーではRMC法の基礎部分について紹介し、実際の電池材料へ適用したアプリケーションを紹介します。
PDF解析およびRMC法に関して、PDF解析サイト に基礎情報が示されていますのでご参照ください。
■講演(2)14:30~14:55
『 X線発光分光法の基礎とリチウムイオン二次電池の化学状態分析 』
X線発光分析法(XES; X-ray Emission Spectroscopy)は、高エネルギー分解能蛍光X線スペクトルにおけるケミカルシフトを求め、元素の価数や化合物を分析する手法です。近年、放射光を利用しない、ラボ装置による状態分析法として注目され、リチウムイオン二次電池への応用が広がっています。
本セミナーでは、XES法の特長、二結晶分光法の測定原理、スペクトル解析など、分析を行うための基礎を解説します。また、NCM三元系正極におけるNi、Co、Mnの価数分析や、Si系負極のLi/Si比の定量やけい酸リチウム塩の組成分析への適用例を紹介します。
線発光分光装置ならびにアプリケーションの情報は、会員サイトの“電池材料分析技術情報”(要ログイン)からもダウンロードできますので、ご参照ください。
◎電池セミナー(1)(2)は、連続開催(配信)されます。質疑は(1)(2)講演後を予定します。Zoomの入退出は何度でも自由です。
日時: 2023年 12月 14日(木) 14:00 ~ 15:15(質疑応答含む)
定員:500名(無料:事前登録制)