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高フレームレート検出器XSPAの性能評価

リガクジャーナル 2023年 10月54巻 2号 通巻120号
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中江 保一, 佐久間 保孝, 作村 拓人, 三楠 聰, 松下 一之

 

昨今,X線計測分野において,Hybrid Photon Counting(HPC)検出器が広く用いられている.読み出しノイズが 無い,ダイナミックレンジが大きい,フレームレートが高い,Point Spread Function が小さい,ブラーが生じない 等といったHPC検出器の長所を高速データ読み出しシステムと組み合わせることによって,シングルフォトン検 出と高い検出効率を持った高性能X線検出システムを実現することができる.現在,商用非商用含め様々なHPC 検出器システムが世界中で提供されており,学術研究及び産業分野で使用されている.HPS検出器において最も 重要な要素の一つが高速読み出し技術であり,最新のHPC検出器システムであれば,1000 fps 程度のフレームレー トが容易に実現可能であり,これまで主流であったCCDのフレームレートと比較して1–2 桁の高速化が実現され ている.しかし,先端科学分野においてダイナミックな現象を観測しようとすれば,より高速なシステムが必要 となることは明らかである.そうした要求に応えるためにXSPA検出器シリーズは56,000 fps での連続測定を可能 とし,さらに,バーストモードを使用することで970,000 fps での間欠測定が可能となっている.また,単一フレー ムでは最短露光時間48 ns でのイメージ取得が可能である.これらはAGH大学と共同開発したUFXC32kチップの 性能と自社製の高いデータレートをリアルタイムに取り扱うことのできるデータ読み出しシステムによって実現 されている.本稿ではXSPA検出器の基礎性能の評価を行った.

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