X線2 次元透視検査装置はものづくり工程において 広く利用されていますが,試料形状や試料内部に存在 する欠陥を立体的に捉えることができません.一方, X線CT装置は試料形状や内部構造を立体的に捉える ことができるため,工業製品の開発設計,製造検査, 不良解析等のモノづくりの様々な工程において,X線 CTは広く利用されるようになりました.
リガクが販売するX線CTには,ナノレンジの空間 分解能を持つ高解像3D X線顕微鏡“nano3DX”,人用 X線CTと同じ試料水平保持方式を採用した3Dマイク ロX線CT“CT Lab GX”および汎用性に優れたデス クトップ型3DマイクロX線CT“CT Lab HX”があり ます.これまで,これら装置を用いて電子部品,樹脂 材料等,多くの工業材料の3 次元非破壊観察を行い, 3 次元構造解析や不良解析などの様々なソリューショ ンを提供してきました.しかし,nano3DXの最大管電 圧は60 kV, CT Lab GX およびCT Lab HX の最大管電圧 は130 kV であることから,比較的大きくかつ高密度 な試料を撮影した場合にX線の透過力が不足し,良質 な画像を取得できない場合がありました.
そこで,これまでリガクで培われた高電圧2次元透 視装置の技術と工業用3DマイクロX線CT開発で培わ れた独自のCT撮像技術を更に発展させ,既存装置では 撮影が困難であった大型工業製品・金属部品等のCT撮 影,透視撮影にも対応した多目的大型3DマイクロX線 CT装置“CT Lab HV”を開発しましたので紹介します.
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