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X線回折法によるセメント材料の定量分析 ―フリーライムと混合セメントの評価―

リガクジャーナル 2022年 4月 53巻 1号 通巻117号
13-19
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葛巻 貴大 大渕 敦司 笠利 実希 小澤 哲也

X線回折装置は,セメント製造現場での工程・品質管理用途で広く利用されている.本稿では,X線回折法を用いた,クリンカー中のフリーライムの精確な定量法および混合セメント中の混合材の正確な定量法について述べる.

フリーライムの精確な定量法として,定量分析の精度を向上させるために部分積算測定を,正確度を向上させるためにスケール因子を検量線に適用した.検量線作成時とはマトリックス成分が異なる場合でも,ライムの定量値は仕込み添加量と非常に近く,そのばらつきも十分に小さかった.混合セメント中の混合材の正確な定量法として,WPPF法による定量時に,ハローにRIR値を設定した.3 成分系模擬混合セメントの評価を行った結果,混合剤の添加量と解析値は高い一致を示した.

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