2018年9月5日
株式会社リガク
この度リガクは、新型ラマン分光計Progeny ResQ CQL(プロジェニー・レスキュー・シーキューエル)を、2018年9月5日より全世界で販売を開始します。
ラマン分光法は、レーザー光を物質に照射して物質を励起し、これにより物質が発する2次光の中のラマン散乱光を分光して検知し、そのスペクトルから物質同定を行う手法です。前処理なしで、また多くの場合プラスチック袋や瓶を開けずに中の物質を測定できます。
リガクの携帯型ラマン分光計Progenyシリーズは、有色物質や有色瓶中の物質も分析可能にする1064 nm励起方式を用いています。
Progeny ResQ CQLは、爆薬、化学兵器およびこれらの前駆体、違法薬物、工業用有毒物質などを現地で迅速分析する目的に特化した従来機種Progeny ResQの上位機種で、さらなる高機能化・軽量化を実現しました。
リガクのグループ会社であるRigaku Analytical Devices, Inc.(米国)で開発・製造し、日本国内での販売・アフターサービスは、株式会社リガクが行います。
主な特長
- 危険物、違法薬物対策の分野で評価が定着しつつある1064nm励起
有色の爆薬、不純物含有化学兵器、植物由来の麻薬などにおいても蛍光バックグラウンドの影響を防止し、正確な物質同定を行うことができます。また対象物質の入った瓶や袋が有色の場合も外側からの直接測定において有利です。
- 軽量 約1.4 kg
従来機Progeny ResQ(約1.6 kg)よりさらに軽量化されました。エルゴノミクス的にも改良が加えられ、サイトへの持参や膨大な数の試料数への対応も楽に行えます。
- 500万画素のカメラを内蔵
測定対象物の外観を撮影し、データとともに保存できます。バーコードの読み込みや比色分析の色変化判別も可能です。
- 充実したライブラリーを内蔵
ユーザーがさらに項目追加することも可能です。またユーザーが独自ライブラリーを作成することも、作成ライブラリーをコピーして関連部門と共有することも可能です。
- QuickDetect比色分析法ソフトウェア
これを用いると、ほとんど目に見えない微量試料もスワブで拭き取って試薬と反応させた後、色判定することができます。色判定には、500万画素の内蔵カメラが用いられます。この際、外部光の状態が判定に影響を与えないよう、装置のLEDで撮影部を照射します。
- タイマー機能や遠隔操作機能
爆薬の可能性を有する物質の場合は、手順に沿った試料の扱いとともに、測定者が避難したのち測定が始まるタイマー機能や遠隔操作機能を活用します。これにより、二重、三重の安全が確保できます。
- 4Cモード
同一場所で一つの危険物の異なる前駆体が発見された際にテロリストの活動の可能性を警告する4Cモードを備えています。この機能は、サイトでの使用の増加に伴い、今後重要度が高まると考えられます。
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