AppNote B-XRD1102: 超小角X線散乱法による顔料インクの粒径分布解析
超小角X線散乱法による顔料インクの粒径分布解析
顔料は塗料、インク、化粧品、食品などの着色物質として幅広い分野で使われています。その中でも、顔料インクは色の安定性、耐光性、階調性などで高い優位性を示すことから、多くのインクジェットプリンターのカラー成分として使われています。インクジェットプリンター用の顔料インクの物性はその一次粒径に依存します。一次粒径が小さい顔料インクは高濃度で透明性の高い色を発する一方、耐光性が低下しやすい傾向があり、また粒子の凝集によるプリンターの目詰まりを起こしやすいという課題があります。従って、インクジェットプリンター用に合成された顔料インクの一次粒径やその分散状態を確認することは、極めて重要なプロセスです。小角・超小角X線散乱法は、数ナノメートルから数百ナノメートルまでの粒径とその分布を評価する手法で、分散溶液を希釈せずに非破壊で評価できることから、研究開発の幅広い分野で利用されています。ここでは、超小角X線散乱法によるインクジェットプリンター用顔料インクの粒径分布を解析した例を示します。