AppNote XRD1009: X線回折装置による高温・高湿度雰囲気下での材料評価
高温・高湿度雰囲気下での材料評価 ~燃料電池の動作環境下で、結晶構造の変化をその場で観察する~
Reactor X は赤外線加熱方式で、試料温度を室温から1000°C まで急速(約3分以内)に加熱することができるアタッチメントです。試料部と加熱部が石英ガラスで分離されているため、空気中で反応しやすい材料をグローボックスの中で調整できる、不活性ガス雰囲気下で高温実験を実施できるなどの特長があります。X 線回折の測定角度範囲は 2θ = 3 ~ 83°と広いため、温度により制御された材料の結晶構造とその変化の観察に有効です。加えて、露点温度を 1°C dp から 90°C dp まで、0.1°C の刻みの高精度で制御できる露点型精密調湿器 HUM-DP と組み合わせることにより、試料部の湿度環境を制御しながら構造変化を観察することも可能です。Reactor X と HUM-DP を用いた測定方法は、非等温測定、等温測定、ガス雰囲気下での測定、湿度変化や湿度一定の加速実験、並びにそれらを組み合わせた測定など、極めて広い応用範囲があります。